数字と経営 2017 1 7

書名 数字は人格
著者 小山 昇  ダイヤモンド社

 この本は、タイトルで誤解を受ける可能性があります。
おそらく、経営において、数字をどう役立てるかという趣旨だと思います。
 さて、数字で経営を把握してなく、
経験と勘で会社を経営している経営者が多いかもしれません。
 一方で、数字を把握しているが、
数字の使い方を誤っている経営者も多いかもしれません。
 たとえば、A事業部は利益率が20%で、
B事業部が利益率が5%だとすると、
社長は、A事業部が優秀に見えてしまい、
A事業部にエース級の人材を投入して、
会社を傾けてしまうかもしれません。
 経営は、「率」ではなく、「額」で見よ。
著者は、そう言います。
 「利益率」で見れば、A事業部が優秀に見えますが、
「利益額」で見れば、会社に貢献しているのは、B事業部です。
 A事業部の売上は1億円で、B事業部の売上は10億円だったとすると、
A事業部の「利益額」は2000万円、B事業部の「利益額」は5000万円です。
 手元に現金がなければ、不測の事態が発生した時に、対応できません。
不測の事態の時、銀行が「緊急融資」をしてくれる可能性はないでしょう。
 しかし、多額の現金を貯め込むのも間違いです。
著者は、理想的には月商の3か月分がよいと言います。
 さて、私は、「無借金経営は間違いだ」と考えています。
無借金経営では、成長はないでしょう。
 おそらく、無借金経営を目指す過程で、会社の成長は止まり、
「守りの経営」となっていくでしょう。
 著者は、「借金とは、金利で時間を買うことである」と言います。
つまり、「借金は、金利を払って『時間』を買っている」という。
 詳しくは、この本を買って読んでほしいのですが、
似たような話を知人の知人から聞いたことがあります。
 知人が言うには、「金持ちは、あえて借金をする」という。
「これが、金持ちがさらに金持ちになる仕組みだ」と言うのです。
 知人は、「これが、お金に働いてもらうという発想だ。
金持ちだからこそ、超低金利で、お金を借りることができる。
借りた資金で、新しい事業ができる」と言っていました。
 経営者の皆さん。
経験と勘で会社を経営するのは、やめましょう。
数字で経営を把握しましょう。
 しかし、数字の使い方を間違ってはいけません。
経営とは、「率」ではなく「額」です。
 いつも、「とにかく、忙しい。
時間をお金で買うことができるならば、ぜひ買いたい」と思っているならば、
この本によると、そういう方法があるということでしょう。
 私は、別の方法があると思っています。
それは、読書です。
 読書することによって、
著者の知識や経験を自分のものとして取り込むことができます。
 著者と同じ知識を獲得しようとすると、膨大な時間が必要になります。
また、著者が経験したようなことを同じように経験しようとすると、
これも、膨大な時間が必要になるでしょう。
 だからこそ、読書が有効です。
著者が費やした時間を自分のものとして取り込むことができるのです。
 しかも、本の値段は、1,000円から2,000円です。
1,000円程度で、膨大な時間を買うことができるのです。






























































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